クラウドワークスでお金を作ることはできるが、儲かりはしない!
クラウドワークスの現実を知る
クラウドワークスはよく知られたクラウドソーシングサイトです。学生や主婦がお小遣いを稼ぐのに役に立つサイトだということになっています。本気で取り組めば、本業として食べていくくらいは稼げると言う人もいます。
本当にそうなのでしょうか?
クラウドワークスで「ライター」として働くために知っておきたいことを経験談でお話しようと思います。
・クラウドワークスでお金を稼げるか?
この問いにはイエスと答えます。1円でも収入があれば、稼いだとは言えます。ペイするかどうかという問題を抜きにすれば、お金を作れるサイトだと言ってよいでしょう。
しかし問題はそこからです。クラウドワークスで働くにはいくつもの壁を乗り越えなくてはなりません。
1.報酬が低すぎる案件ばかり
1文字0.1円という案件はザラです。「主婦でもできる」「初心者でも始められる」「お金を稼ぎながらライティングを学べる」などと言って、働かせようとする輩でいっぱいです。
最低時給が1,000円だとすれば、ライティングの仕事で1文字1円は最低の報酬であるべきです。
しかし現実的にはまる1日働いて数百円の報酬にしかならないことも珍しくありません。
それでも無報酬よりましだと思って働く主婦や学生がいるため、また最低賃金の規制を受けないため、この歪んだ市場は改善しそうにありません。
結論を言えば、ほとんどのライターは稼げません。
1日3時間バイトをしたほうがはるかに楽に稼げます。
・クライアントも素人
クラウドワークスの用語では、発注者をクライアント、仕事をする人をワーカーといいます。ワーカーのほとんどが素人なのは言うまでもないことですが、クライアントも素人がほとんどです。
そもそもウェブコンテンツ業界に大手などはなく、あるのはだた零細企業か個人事業主です。法律を知らないことはもちろん、道徳も常識もめったに持ち合わせていません。
最近、雨後の筍のごとく「ずんだもん動画」がYouTubeではやっています。これなども素人が小金を出して、クラウドワークスで原稿を書かせ、クラウドワークスで動画編集させています。
20分程度の動画、文字数10,000字程度のシナリを作成に5,000円、編集に5,000円くらいの予算で作っているのです。
なぜ、ずんだもん動画の内容が間違いばかりなのかおわかりいただけたことと思います。
実際には一人の人間が数日かけてやることを、たった10,000円でできるわけです。
素人も参入するわけです。
YouTube動画やブログなど、日本のサイトはコピペして作られたものばかりです。素人が発注し、素人がコピペして、最後に素人が作ったコピペチェッカーでチェックして、記事が作られ売られていきます。
「安かろう、悪かろう」そのままの事例と言っていいでしょう。
わたしはこの業界に入ってから、日本語のサイトを原則として読むのをやめました。英語で書かれたものが読めれば、たいていのことは解決します。日本語で読むのはニュースだけが一番安全です。
・だまそうとするクライアントが多い
クラウドワークスはクラウドワークスを通じて知り合ったクライアントとワーカーが直接契約することを禁じています。その代わり、クラウドワークスを通せば、売掛金を回収できないリスクは非常に低くなります。
一方、クラウドワークスは20%を超えるショバ代を求めるため、クライントだとしてもワーカーだとしても、これを逃れようと考える人が出てきます。
このことを利用して、直接契約を持ちかけてくるクライントは少なくありません。
直接契約をしたら、あとはわかるでしょう。
支払いをしないで逃げるに決まっています。
クラウドワークスは何もしてくれません。
結論
なにか特技があるなら、クラウドワークスを利用するのもいいかもしれません。
IT業界は人手不足なので、その方面の知識経験があるなら、いいアルバイトになることもあるでしょう。
しかしライターはおすすめできません。
悪いことは言わないので、無駄なことはやめましょう。
なお、わたしは長い間、サイトの編集業をしており、多くの人の記事を読んできました。それこそ数百人が書いた1,000を超える記事を真剣に読んできました。
そのうえで結論づけるなら、文章を公開してよいレベルのライターはせいぜい3人です。
ほとんどの人がコピペをしているだけ。そのうちの一部は支離滅裂です。
じぶんの頭の中で具体的にかつ正確に理解していることを、わかりやすく伝えるのが本来のライターの仕事です。
しかし、みんな「知らないこと」を「ネットを見て、写し」「わかったような気になっている」だけです。そういうのは本気で読めばわかります。
もちろん、いまどきネットの記事をまじめに読む人などほとんどいません。書いた本人ですら、読んだのかどうか怪しいことがほとんどです。
だから、ネットなんてそんなものだと考える人もいることでしょう。
でも、本当にそれでいいの?
クラウドワークスが日本のネットコンテンツを悪くしたとは言いません。そもそもクラウドワークスには野心などありません。彼らは金儲けをしているだけです。
しかし、そういうクラウドワークスを利用して、弱者を食い物にするサイト制作業者を放置するのは、わたしの倫理に反します。